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GLOBAL EXPEDITION TEAM(グローバル エクスペディション チーム) 企画 第1弾
探険船ストックホルム号で航く
白夜の季節に訪れる スピッツベルゲン島クルーズ 12日間(7日目)

● 7日目 6月13日(金) 雪・曇り

08:00 朝食。
09:10 トリニティー湾出港 
10:30 ハンブルグ湾着 湾の水深が浅いため、湾の外に錨を下ろしました。ハンブルグ湾の名前は、1642年に初めてここに捕鯨漁にきたドイツ人が名づけたもの。 ゾディアック・ボートにて出発。今日は波が高く、乗り込むときに合図をしてから慎重に。ゼニガタアザラシ(Harbour seal)、パフィンを発見。上陸後、10万羽のウミスズメ(Little Auk)が生息するといわれる岩山までウォーキングをしました。上陸後、トナカイを発見。雪が降っていました。陸には一面に厚く苔が生えていて、まるで上等なじゅうたんの上を歩いているかのようでした。トナカイの白い冬毛もところどころに落ちていました。北極トウゾクカモメ(Arctic Skua)が頭上を飛んでいきます。ウミスズメの卵を狙っているのです。最後は丘を上って岩山に近づきました。「寒いし、ちょっと疲れたな」と思ったところに、リサがポットから熱いお湯を出して、ココアやお茶を入れてくれました。なんとおいしかったことでしょう。そして、頭上を何十羽ものウミスズメが群れを成して飛んでいきます。トウゾクカモメを追い払うため、みんなで一丸となって追い払っているのだとか。ウミスズメたちの鳴き声も印象的でした。来た道を引き返し港に戻ると、ヤンとクリストファーが迎えてくれました。湾内をゾディアックでもう一度ぐるりと回ると、ゼニガタアザラシが何匹もぴょこぴょこ顔を出しました(まるでモグラたたきのモグラのようでした)。そろそろ昼食の時間です。船でおいしい昼食が待っています。今日はどんなメニューでしょうか?


13:30 昼食
今日のメニューは、今まで出たお食事を上手にアレンジしたもの。ポテトサラダ、一部の方が召し上がれなかったタイ風チキンヌードル、ホッキョクタラのサフランソース、ハンバーグ風ミートローフ。食材を捨てるのではなく上手に工夫して使っていただけるのが嬉しいとのお声も多かったですね。北欧ではパンと同様に出されるクラッカーのようなクネッケとともにいただきました。

私達が船に戻ると同時に船も出港。昼食後は、しばらくゆっくりおくつろぎいただきました。

16:00 アフタヌーンティー。今日のお菓子はチョコレートケーキ。
甘すぎず、おいし〜い!
16:30 スライドによるレクチャー 
ホッキョクグマについてリサのお話を聞きました。
ホッキョクグマは世界で最も大きな肉食動物のひとつであり、スピッツベルゲン島は「ホッキョクグマの王国」と言われており、約3000頭が生息しているそうです。成長したメスのホッキョクグマは400キロ、オスは700キロにまでなります。通常、ホッキョクグマはアザラシを食べます(特に脂肪)。
出産をひかえたメスグマは、10〜11月頃、子供を産むための穴を掘って冬眠に入ります。冬眠といっても完全に眠るのではなく、基礎代謝を落として体力を消耗しないように静かに過ごします。穴はオスグマが近づけないように、山の斜面に作ることが多いそうです。1月頃、メスは子供を通常2匹産み、3月頃まで冬眠します。そして、4月頃、コグマと共に穴を出てきます。母グマは穴に入ってから約半年の間何も食べずにコグマを育てるため、その頃までには夏に比べると体重が100キロ近く減り、とてもやせてしまいます。
コグマはその後、母グマのもとで約2年半暮らしますが、約50%の割合でコグマは2歳になる前に死んでしまうそうです。ホッキョクグマはもともとヒグマの派生種なので、交配で生殖能力のある子孫を残すことが可能です。通常北極圏ではヒグマは陸、ホッキョクグマは海と住み分けていますが、地球温暖化の影響で近年両者の混血が発生しており、懸念されているそうです。

17:45 ストックホルム号はクロスフィヨルド(Krossfjord)に入っていきました。長さ22km、幅5kmの穏やかなフィヨルドです。そして、次第に7月14日氷河が見えてきました。この氷河の名前は、モナコのアルベール1世大公がこの氷河を訪れた日に因んだもの。アルベール大公は、フランスに敬意を払って、フランスの独立記念日でもある日付を氷河につけたのでした。(アルベール大公は、海洋調査船を建造し、メキシコ湾流域、アゾレス諸島、スピッツベルゲン方面など赤道から北極圏までの北大西洋と地中海とを組織的に海洋物理学的、海洋生物学的に観測した海洋学者として知られています。)氷河に近づくにつれてその大きさに圧倒されました。高さは約30m。氷が崩れ落ちる音も聞こえたでしょうか?氷河壁の近くは、崩れ落ちる氷によって海中に対流が発生し、プランクトンの成長が早まるため、動物性プランクトンや魚が多く集まるようになるそうです。

18:15 7月14日湾に錨を下ろし、すぐにゾディアックボートにて出発。まず、鳥が多く住む崖を目指しました。崖の上にはハシブトウミガラス、ウミスズメがたくさん巣を作っていました。パフィンも発見!パフィンが生む卵はひとつだけ。生まれた小鳥は5〜10週間巣で過ごします。パフィンは長生きで、30年以上生きることもあるそうです。ガンも崖の上に巣を作っていました。また、珍しいオオハシウミガラス(Razorbill)もいました。崖の上にはトナカイもいましたね。


上陸後、ツンドラの地を歩き、植物、花などを見に行きました。ムラサキユキノシタ、白いラップランド・ウィットローグラス(Lapland Whitlow-grass アブラナ科の植物)、黄色いアークティック・ウィットローグラス(Arctic Whitlow-grass)、ビタミンの含まれる白い花が咲くトモシリソウ(Scurvy-grass)、赤い花で皆さんに葉を試食(?)していただいたジンヨウスイバ(Mountain Sorrel)などが咲いていました。

トモシリソウ

アークティック・ウィットローグラス

ムラサキユキノシタ

ジンヨウスイバ

20:20 船に戻り、夕食。船もすぐに出港。

カニ肉のサラダ(ホースラディッシュとわさび入り)、鴨肉のロースト・メキャベツ添え、ローズヒップのデザート(シロップのようなスウェーデンの伝統的デザート。パンを浮かべていただく。)
白ワインはチリのドン・ミゲル(リースニング)、赤はニュージーランドのVicar's Choice(ピノ・ノワール2006)

22:10 キングス・ベイ入港 停泊
天気もよくなり、再びゾディアックボートでブロムストランド氷河見学に出発。今回は女性軍のみでした。

シェルとアニカも同行。氷河の近くでクロアシミツユビカモメの巣を発見しました。外海に出て洞穴を探検しようとしましたが、波が高く断念。その後、島に上陸し(予定外でしたが・・・)、寒かったのでラジオ体操やらフォークダンスやらを踊りまくりました。おかげさまで体は温まりましたが、リサたちは少し日本の体操に驚いていたみたいです。結局、シェルたちが上陸したかっただけでした。私達は、おじゃま虫??船に戻ったのはちょうど午前零時を回る頃。空には輝くミッドナイト・サン。今回の旅初めての真夜中の太陽を見ることができました。

船に戻ってからも、有志の方はサロンで夜がふけるのを忘れて(暗くならないので眠くならない??)今日の出来事などを語らいました。静かな入り江に停泊していたので、海の上にいることを忘れそうでした。


<船中泊>

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