トップ > エクスペディション チームとは > ツアーコンダクターより > スピッツベルゲン島クルーズ >6日目
朝起きると、そこは北極海の氷の世界。昨日の真冬の天気がうそのように、今日は太陽が顔を見せています。
朝食後、有志の方で“マストに登ろう!”ということになりました。そしてマストの上からお客様の一人が「ホッキョクグマ発見!」の声。皆さん「どこ?どこ?どこ?」 すっかり興奮状態。い、いました〜。ついに今回2頭目発見です。朝日に照らされて、毛もきらきら輝いています。エサを探しているのでしょうか。歩き回って水際のあたりまで来ました。途中ででんぐり返しをしたり、氷の山の上に覆いかぶさったり、見事なショーを見せてくれました。
その後、船は氷に沿って進みました。そして11:30頃 船首前方に今日2頭目のホッキョクグマ発見!
12:00 エンジン再開。氷をかき分けて、今度は進路を南にとって再びクルーズを続けました。
デッキから眺める景色、素晴らしかったですね。
13:00 興奮冷めやらぬ中、昼食のお時間です。今日の昼食は伝統的スウェーデン料理。
昼食後も美しい景色の中をクルーズ。
16:00頃 スメーレンブルグフィヨルド(Smeerenburgfjord)にてセイウチ発見!お天気がよくなったので、日向ぼっこをしていたようです。約8頭のオスのセイウチが氷の上に並んでいました。近づいても逃げないで、こちらの様子をうかがっていたような・・・キャプテンの見事な操縦技術があればこそ、こんなに近くまで近づけたのですね。大きな船でもこんなに近づけません。小型の探検船ならではの醍醐味です。
18:30頃 スヴァルバール諸島でも最も美しいフィヨルドのひとつとされているマグダレナフィヨルド(Magdalenafjorden)に入ってきました。氷河が近くに見え始め、さらに近づくとホッキョクグマの足跡発見!近くにいるのかもしれません。アザラシも1匹顔を出しました。エサと氷があるなら、きっといるはず。期待は高まります。フィヨルドの最も奥で青白く光っていた氷河は、ワゴンウェイ氷河(Waggpmwaubreen)。
マグダレナフィヨルドの名前は、捕鯨猟師たちの守護聖人だった聖マグダレナに由来しています。セイウチが多く生息することから、「牙湾(Tooth Bay)」とも呼ばれています。
19:30 美しい氷河の景色をいつまでも見ていたかったのですが、シェルの作ったおいしい夕食の時間となりました。
まず、ホッキョクグマ発見のお祝い。シャンパンで乾杯!
お食事は、トマトサラダ、ビーフのハンバーグ風ミートローフとポテト、ミックスベジタブルでした。
21:40 今日の一日はまだ終わりません。ゾディアック・ボート(*)にて、今回初上陸です。上陸場所は「トリニティー湾」。1600年代、イギリスの捕鯨船が多く訪れた湾です。捕鯨が盛んだった頃作られたイギリス人やオランダ人のお墓も多く残るところです。当時の捕鯨漁は、まさに命がけの仕事でした。クジラの油を煮詰めたかまどの跡も残っていました。雪もかなり残っていましたが、我ら探検隊は雪をもろともせず進みました。そして、船の残りのスタッフ達も、新しいボートの進水式を終えて私達の後から上陸して来ました。(新しい船の名前は、冬の間ストックホルム号を停泊させておく港の名前から、ゴッセンブルグ号—Gothenbourg−と名づけられたそうです。)ホッキョクグマの残した足跡も発見。どこかにいるはずなんですけど・・・リサはライフルを担いでりりしく雪道を歩いていきます。今夜はこの湾に錨を下ろして停泊します。船に戻ったのは、夜中の12時近く。そして、冷えた体を温めるべく、サロンでお茶やお酒などをご一緒に、夜遅くまで話は尽きませんでした。
*ゾディアック・ボートとは、フランスの「ゾディアック社」のボートのこと。現在、一般的に探査船などで使われている空気を入れるタイプの船の総称となっています。